GDC 三日目もビジュアルアーツだ!

Syundow2004-03-25

いよいよ、GDC三日目です。今日からExpoが始まり、場内の活気は一段と上がります。さて、今日、受講したカンファレンスは、Acting for AnimatorsGetting to the GameBuilding GollumEntertainment Experience First, Videogame Second: The Making of The Return of the KingThe Evolution of a Franchise: The Legend of Zelda と盛りだくさん。
まあ、ほとんどはいろんな方が説明しているので、僕は一発目のActing for Animatorsだけを紹介しよう。これが大当たりでしてね。講演者のEd Hooksさんはディズニーなどに在籍した方。経歴を見ると、えらい数の会社に勤めていらっしゃったようです。で、講演内容はというと、名前のとおり、アクションの付け方を教えてくれるというのもの。これが、場内大爆笑のすばらしい講義でした。Edさん、まずは受講者の中からふたりの男性を選びます。そして、「君はお腹にパワーポイントがあるんだ」「そして、君はアゴにパワーポイントがあるんだ」といいます、「さあ、お互いに端から歩いて、すれ違いざまにHalloと挨拶して!」。するとまあ、受講者もプロのアニメーターたちだから、物覚えがいいというのもあるんだけど、見事にディズニーキャラになっちゃうんだ! お腹を揺らした男とアゴを突き出した男がすれ違うところを想像してください。もうそれだけでキャラが立っているでしょ。さらにEdさん悪のりして、「君は唇に力を入れて」、「そして、そっちの君は股間がグローイングしているんだ」、「さあ、挨拶をしてみよう!」。個性的なキャラクターが、その個性故に相手の個性も引き出す、という、なんともまあ、簡潔でわかりやすく刺激的な授業であることか。さらに本題。「王様と奴隷になろう」、「君は王様、そっちは奴隷だ」、「さあ、挨拶を」となる。態度によって、お互いの身分がわかるという説明なんだけど、何度かすれ違っている内にアニメーターふたりがちょっと茶目っ気を出した。奴隷が王様を無視したのだ。王様は2、3歩進んでから、「ん?」という感じで小首を傾げる。その瞬間、教室は大爆笑。生徒自身のクリエイティブも引き出すEd Hooksさん。通常の講義より、30分長いGDCにふさわしい1時間半でした。最新技術の発表の裏で、こうしたセッションが普通に行われているからGDCは侮れないんだよなあ、まったく。



Talk GDCを日本でも開催できませんかねぇ




Syundow お弁当(会場内で配給されるサンドイッチ)、どこで食べましょうか。

Mさん(某大手ゲーム会社勤務) 公園にいきましょうか。天気もいいし、空いているし。昨日もこっちで食べたんですよ。
 
Syundow いい天気ですねー。

Mさん ずっと晴れていますよね。

Syundow GDC、どうですか?

Mさん 人材交流の場としていいですよね。僕なんて、名刺を忘れちゃったから、すごくもったいないことをしたなあ、と。

Syundow まわりは、全部ゲーム関係者ですからね。しかも、開発のトップクラスの人間がごろごろしている。

Mさん そう、どこにでもいる(笑)。日本でも、こういうのやれないかなあ。

Syundow 面白いと思いますね。

Mさん ただ、こういうところだと、人材の流出も激しそう。僕の会社も本当のトップは送り込みませんもの。そのまま、こっち(海外)の会社に引き抜かれて……(笑)。

Syundow ミイラ盗りがミイラ、にと。それでは、まずいですねぇ(笑)。

Mさん ただ、やりたいことは確か。だから、まずは飲み会で集めて、メーリングリストに登録をすることから始めたいよね。

Syundow やりますか!(笑)

Mさん うん、日本ではなんでも飲み会から始まるから(笑)。



確かに会場のリクルートコーナーをみると、開発者の募集が激しいですよ。GDCに来るような連中はプロもアマも腕に自信があるような人ばかり。登用を狙って来場する方、そうした隠れた人材を捜すために必死になるメーカーの方がゴロゴロしている。GDCを日本に持ち込むということは、こうしたヘッドハンティングも持ち込むということだ。ただ、僕は非常にけっこうだと思っている。フリーランスの僕だから、そう思うのだろうけども、優秀な人間は世界中を巡ればいいと思う。そうしなければもったいない。