少々修正

ゲーム脳の話が某掲示板で続いていたので、なんとなく「なんでアニメ脳がないのかな」と思ったり。アニメ脳が言いづらいとか語感云々じゃなくて、あっても悪くない。まあ、それが以前は「オタク」だったんだろうけど。で、ゲームとアニメの違いを考えた。アニメは多くの人、特にメディアに関わっている人間ほど「世間には良いアニメと悪いアニメがある」と大雑把なりとも、そういった認識が浸透しているのが大きな違いではないか、と。普段はアニメは見なくても宮崎アニメなら映画館まで行ってもいいと思う部長さんとか、サザエさんちびまる子ちゃんは欠かさず見るOLさんとか。世の中のアニメは良いものも悪いものもあるんだ、と多くの人が了解している。自分の経験に照らし合わせても、もののけ姫をデートの際に見に行ったが、これっぽちも違和感はなかった。アニメは大多数にとって「理解できるもの」として映っている。だからこそ、アニメを見るとアニメ脳になるという単純構造が成立しづらいんじゃないか。
で、翻って「ゲーム脳」。「世の中には良いゲームと悪いゲームがあるんだ」とゲームを遊ばない人たちを納得させられれば、オールOKとなるように思う。だけどさ、そんなの難しい。良いゲームの定義は各自で勝手に作り上げればいいと思うけど、いきなりFFを遊ばせる? それとも、スーパーマリオを遊ばせる? HALOとかに触れさせる? GTA3を見せる? とりあえず、MOTHERリメイク版にしとくか? 今までゲームをやらずに過ごしてきた人たちですよ。どんなゲームを持ってきても、ちょっと無理だよな。せいぜいテトリス止まりでしょう。例えば、ドラクエがね、200万本、300万本といわずに2000万本、3000万本クラスになればゲームを取り巻く環境もちょっとは変わってくると思うんだよね。だって、ナウシカならそれくらいの人たちが見ているでしょ? それを考えると、ゲーム業界って金はあるけど世間への影響力は小さいよなー。

で、余談。今日、とある米国ゲーム雑誌のマーケティング部門の方とお会いして、海外のゲーム開発者向けの雑誌をどうやったら日本に売り込めるのかという相談を受けたのだ。まあ、メインは僕じゃなくて、たまたま呼ばれて同席にしたに過ぎない。しかし、“とある米国ゲーム雑誌(開発者向け)”が公称3万5千部ですって! 公称だから実質はもっと低いんだろうけど、日本で同じような雑誌を発売しようと思ったら3000部くらいでしょうな。米国のゲーム開発者人口の厚みを実感しました。だけど、じゃ、なんで日本のゲーム業界はここまで栄えたんだろう。厚みでいえば、米国仁明らかに負けているのに、そこそこやっているし、今まではトップを走り続けてきたのは事実(今も走っている?)。
ポイントは日本のゲーム開発者人口が薄いことにあるんじゃないか。薄いからこそ、当然、少数精鋭がスタンダードになるし、利益の一極集中が起きたんじゃないか。でも、業界が儲かっているように見えたのは、少数だから儲かっていわたけで、今現在のように、そのお金を目当てに多くの人が群がるようになると、とたんに図式が崩れ始める。日本のゲーム業界ってのは、多くの人間を抱えるような仕組みを持っていない(ライターという職業に絞っていえば、評論家というポジションが成立するような豊かさはないしね)。一極集中だからこそ、反論を許さない独裁者的な傾向が強い業界なんだ。それが良いか悪いかはわからないが、ここまでゲーム業界を引っ張ってきた功績は賞賛に値する……、なーんて聞き分けの良いことは言いません。そんなのは悪いに決まっている。ゲーム業界の立ち上げに参加した奴等だけが面白いことばかりをやって、遅れたオレが爪弾きにされるなんて、呆れるくらいにつまらん。さっき言ったように、アニメは2000万人、3000万人の市場を作っている。ドラクエが300万本売れたとして、最低、残り1700万人が宙ぶらりんなわけだ。なんだ、ホラ、遊べる環境がたっぷり残されているじゃん、という。

ま、妄想半分、本気半分。半分は本気ってことですがね。
さらにアニメでいえば、もっと可能性があると思っているので、5年前くらいから雑誌や書籍で実験を繰り返している。最近、けっこう敏感なところに引っかかってきたように感じている。もう少しすれば、もっと身軽に仕掛けられるようになるのかも?